沖幸子イメージ
仕事人秘録
日経産業新聞連載

 新たな家事の形探る@
    掃除をはじめとする家事代行サービスを手掛けるフラオグルッペ。
   1987年に同社を興した沖 幸子氏はこのビジネスモデルを世間に認知させ、
   数百億円規模といわれる市場づくりの先駆けとなった。


    フラオグルッペを設立して約四半世紀の時間が流れました。今でこそ多くのお客様から
   定期的な依頼を頂きますが、当初は掃除を代行するビジネスの内容を理解してもらうにも
   一苦労だったことが懐かしく思い出されます。
    私は会社を設立する以前は、全日本空輸(ANA)で客室乗務員をしたり、ライオンで生
   活用品全般のマーケティングを担当したりしていました。最終的に家事代行を手掛けるベ
   ンチャー
企業を立ち上げようと考えて、こうした仕事に従事してきたわけではありません。
    ただ、本当に多くの優秀な方々に様々な知的刺激を受け「もっと自分自身を成長させた
   い」「こうすれば世の中に貢献できるのではないかしら」と自問自答し、創意工夫を地道に
   続けてきた結果、今日の立場に至っています。
    高い技術や優れた付加価値を持つビジネスを展開しながら、創業から数年で事業継続
   が難しくなるベンチャービジネス企業は珍しくありません。拝金主義に陥らず、本業でどう
   社会貢献を果たしていくかを真剣に考える。
   そうすれば、ビジネスの種は日常の至る所の転がっているはずだ。私はそう確信していま
   す。少子高齢化など課題が山積している今だからこそ、多くの若者に積極的にリスクを取っ
   て起業して頂きたいと思います。

   自身の成長求め、常に挑戦 
    政府の多数の審議会にも委員として参加。1円で株式会社を設立できるようにする最低
   資本金規制の特例制度の実現などの携わった。


    90年代はじめに政府のベンチャービジネスの研究会に参加させて頂いて以来、国の政
   策を決定づける重要な会議で積極的に発言してきました。私が会社を設立した時と比べ、
   今では随分と簡便に起業することができるようになりました。
    でも、旧態依然とした既成概念が日本には多く残っています。私はほとんど意識したこと
   がないのですが、女性というだけで昇進できないような「ガラスの天井」もまだ完全に無く
   なっていないようです。
    でも、1度でも抱いた夢や目標を世の中のせいにしてあきらめてほしくありません。私の
   学生時代は女性が4年制大学に進学することが珍しかったため、就職活動の際には企業
   からの求人はほとんどありませんでした。でも私は挑戦せずに断念したくなかった。これま
   での人生の軌跡を語ることで、後に続く人々に少しでも参考になれば幸いです。
                                          (2010.12.6 日経産業新聞)

 





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