沖幸子イメージ
ノーベル平和賞のグラミン銀行、
貧困からの自立を支援する

「信用することは人権を尊重すること」
このたびノーベル平和賞を受賞したバングラデシュのグラミン銀行頭取のムハマド・ユヌス氏の言葉です。
彼は、「借り手の1人1人を信用(クレジット)する。それは人間としての尊厳を認めること」と、ある雑誌のインタビューで語っています。
30年前、大学の経済学の教授だった彼は、寒村の貧しい竹編みの婦人たちと出会い、彼女たちに自分のポケットマネーから無担保でお金を融資するのです。
彼女たちはユヌス氏から借りたお金を全額返済、これがきっかけになり、彼は貧困者自立のため、小額無担保融資システムを作り、「マイクロクレジット」」(小額融資)制度を作り上げました。これが、バングラデシュ・グラミン(農民)銀行の設立となったのです。
この小額融資制度は、多くの貧乏にあえぐ婦人たちを救いました。
マイクロクレジットの利用人口は、いまやアジアで、アフリカ、南米へと広がり、一億世帯に。銀行の会員数の97%が女性で、累計融資額は、52億ドル(約6000億円)という。しかも、貧しい人だけに会員になる資格があるというのです。
このマイクロクレジットは、貧しい人にお金を配るのではなく、自立するための手段にお金を投資し、人間(女性)一人ひとりが経済的自立するのを助けているのです。
「真の平和とは、多くの人々が貧しさから自立して初めて語れる」、と信じて、“マイクロクレジット”を作ったユヌス氏。
注目すべきは、彼が最も貧しい国の経済学者だったことなのです。


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